店舗からのアプリダウンロードを店舗ごとに可視化 オフライン・オンラインを横断したエンゲージの仕組みにアプリを活用

Adastriaお客様事例

600万ダウンロード以上

ファッションアプリ 「.st(ドットエスティ)」 利用者数

店舗からのアプリダウンロード数が1.8倍に

AppsFlyer「OneLink」
 導入などによる効果

背景 : 30以上のブランドを統合した公式WEBストア「.st(ドットエスティ)」を運営

アダストリアは、「GLOBAL WORK(グローバルワーク)」「niko and …(ニコアンド)」など30以上のブランドを展開している大手アパレル企業です。国内外に約1400店舗を出店し、4000名を超える店舗スタッフが「スタッフボード」と呼ばれるスタイリング投稿のコンテンツにファッションアドバイザーとして参加し、豊富な知識と親切丁寧な着こなしアドバイスでファンを増やしていることでも定評があります。

同社では2007年に自社ECサイトをオープン、2012年からは全ブランド共通の会員制ポイントサービスを開始しました。会員数は順調に拡大し、2022年6月時点で1410万人に達しています。

ECサイトは2014年に「.st(ドットエスティ)」として全面リニューアル。取り扱いブランドの商品をワンストップで検索、購入できるようにしました。同時に、同名のスマートフォンアプリをリリースしました。.stアプリの特徴は、店舗とEC、会員ポイントを連携させたシームレスなサービスのハブとして、顧客に優れた体験を提供できることです。ユーザーは、毎日アプリを開くだけで1ポイントを獲得することができ、アプリ内での商品購入はもちろん、スタッフのコーディネートや商品レビューなどの充実したコンテンツを楽しむことができます。

「当社の強みは、店舗とそのスタッフにあります。アプリには『スタッフボード』という店舗スタッフによるスタイリングのコンテンツも展開しており、人気を博しています」と、同社Web事業部の平田みず希氏は語ります。

また平田氏は次のように語ります。「30以上のブランドが1つのアプリに集約している情報量が非常に多いアプリですが、ブランドごとの世界観は大事しています。アプリの中に各ブランドページがあり、それぞれがターゲットにあわせて特集を組んだり、工夫しながら情報を発信しています。お客様が好きなブランドや店舗スタッフの情報にすぐアクセスできるように、パーソナライズする機能もあります」

課題:店舗ごとのアプリダウンロード誘導数を管理したい

会員ポイントサービスの開始以降、同社では会員の獲得に力を入れてきました。マーケティングにおけるKPIは会員数が中心であり、1000万会員の獲得に向けて店舗での会員獲得などに注力していました。一方、アプリの利用者数は順調に伸びていたこともあり、特に具体的な施策を行うことはありませんでした。

2019年12月に、会員数1000万を突破し、「顧客接点・サービスの拡大」を掲げる中で、アプリの機能充実を図り、ユーザーを増やしています。特に、2021年3月以降、店舗からのアプリダウンロード促進に注力しています。

通常、アプリのダウンロード促進ではWeb広告による集客を中心に施策を実施しますが、同社ではWebからの誘導は基本的に考えず、国内店舗の店頭施策に重点を置きました。「もともと会員獲得についても、店舗からの誘導が効果的だったことを確認しており、ダウンロードについても当社の強みである店舗の取り組みで増やすことができると自信を持っていました」と平田氏は語ります。

ただし、店舗に対してアプリのダウンロードを促進するには、個店ごとのダウンロード数の管理が必須でした。「計測できるツールを探していたところ、AppsFlyerを知り、すぐに利用を開始しました」(平田氏)

効果:施策開始1年で197万ダウンロードを達成。全ブランドで実施へ

店舗でのアプリダウンロード施策のポイントは、2つの側面があると平田氏は語ります。「アプリがお客様にどんなメリットがあるのかを周知することはもちろんですが、店舗にとってどういうメリットがあるか、また、勧誘したスタッフがどう評価されるのかを示すことが大事です」

同社のデータ分析チームは、アプリをダウンロードしたユーザーは、店舗の売り上げに対する貢献度が高いことをつかんでいました。平田氏のチームはそれらのデータを資料にまとめ、各店舗のマネジャーやブランドの責任者に対して丁寧に説明をしていきました。同時に、店舗スタッフの人事考課の項目に、アプリダウンロードへの貢献を加えてもらえるように働きかけました。

ダウンロード推進施策のテストは、「niko and …」の店舗で実施しました。個店ごとに異なるAppsFlyerのコードを付与したQRコードを、店舗のレジ横などに設置し、店舗スタッフが顧客にダウンロードを促す勧誘をする際の運用方法などを確認しました。

店舗ごとのダウンロード数が計測できるだけで、すぐに施策の効果が表れました。その結果をもとに、他のブランドにもQRコードを展開していきました。ブランドによっては、レジ横だけでなく、試着室などの顧客の動線にもQRコードを配置しダウンロードを促す仕組みを作るなど、多くの店舗が、積極的にアプリダウンロードへの取り組みを実施していきました。

平田氏は次のように語ります。「当社には、店舗ごとにチームで取り組んで目標を達成するという文化が根ざしています。アプリをダウンロードすることでお客様にとってどんなメリットがあるか理解してもらった上で、ダウンロード数を定期的に公表し店舗を順位付けすることで、店舗ごとに工夫し、盛り上がりながら取り組むことができています」

店頭でお気に入りのスタッフからダウンロードを勧められる効果は抜群でした。2021年3月に全社で店舗からのダウンロード促進を決定してから、翌2022年3月までの1年間のダウンロード数は約197万に達しました。これは前年比で約1.8倍というめざましい成果です。さらに、アプリユーザーはアプリを使っていないユーザーと比べて、年間の平均購買頻度や購買金額が上がっているという報告もされました。

この結果を受け、前年に取り組んでいなかったブランドも、今年度から店舗でのダウンロード施策を開始しており、現在ではQRコードを使ったアプリダウンロードが、全ブランドに浸透しました。

今後:1000万ダウンロードに向けて施策を強化

平田氏のチームでは、AppsFlyerのカスタムダッシュボードで、クリック数、ダウンロード数などの数字を日別に管理しています。新店舗がオープンするときも、QRコードの発行はスピーディに行えるため、手間もかからず開店と同時に計測を開始できるといいます。

「使っていてわからないことがあったとき、AppsFlyerのサポートに聞くと素早く答えてもらえるため、安心して運用できています」と平田氏は語ります。

同社が今注力しているのが、顧客のアクティブ率の向上です。一度店舗で購入した顧客が、二度目の購買をしてもらうには何をすればいいか、アプリからの施策も含めて検討しています。

「店舗からアプリをダウンロードするお客様が少なくない割合でいらっしゃいます。その後、アプリや店舗で2回目の購入をされるかたも、ほぼ同じ割合でいる中で、アプリユーザーは2回目の購買をしやすいという傾向があることから、アプリによる購買の後押しをするためにもダウンロード数をさらに伸ばしていきたいと思っています」(平田氏)

平田氏は、「.stは、商品を売るだけでなく、できるだけ多くのお客様とつながっていけるアプリを目指しています。そのため、アプリのダウンロード数は当社にとって非常に重要な指標です。2021年に目標としていた600万ダウンロードという数字を当初想定していたよりも早く達成することができました。次のステップとして、1000万ダウンロードを目標にしています。店舗からの誘導をさらに強化する一方、あらためてWeb施策も検討したいと考えています。ダウンロード最大化させ、.stならではのコミュニティを築いていくことが、今後の大きなテーマです」と、今後の目標を語りました。

“店舗から「.st」アプリをダウンロードしたユーザーがファン化をする割合が高いということは、これまでの取り組みでわかってきたことです。アプリユーザーの拡大をAppsFlyerによって可視化できたことで、全ブランドがアプリのダウンロードを推進するようになりました。”

株式会社アダストリア  WEB事業部 平田みず希氏

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